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【特集記事】山形市『きねや菓寮』歴史を紡いできた老舗菓子店が提案する和カフェ|オリジナルスイーツを味わいながら心地よい時間を。

佐藤 昌子

佐藤 昌子

エディター&ライター。オフィス マウマウワン代表。 山形県内を中心にタウン誌、フリーペーパーや企業広報誌等ジャンル問わず、 印刷物の企画、取材・編集の仕事を手掛ける傍ら、モデルハウスのディスプレイや リメイク等を通して『気持ちの良い暮らし方』も提案している。

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創業から212年の老舗菓子店が手がける和カフェ「きねや菓寮」。

2023年4月にオープンしてからあっという間に話題のスポットに。

何やら自分で作って食べるスイーツもあると聞き、さっそくお店を訪ねてみました。

1. きねや菓寮とは

きねや菓寮は旧杵屋青田店を改装し、2023年4月にオープンしました。

お店のコンセプトは「継往開来(けいおうかいらい)」。

創業から受け継いできた菓子店としての伝統や技術を活かし、そこに新たなエッセンスを加えながら、さらに菓子の魅力を伝えていきたいという決意が込められています。

お店の前には十分な広さの駐車場があります。

また、南側の入口からは、ショップを通らずに直接カフェへ入ることも。

今回は東側の正面入口から入ってみることにしましょう。

2. 店内のようす

「いらっしゃいませ」の声に迎えられ、店の中へ。

やわらかな音楽が流れる店内は、明るく落ち着いた空間です。
右手がショップで、左手がカフェコーナーになっています。

今回は、企画室主任の菅野洸人さんにご案内いただきました。

・居心地の良さを追求し、細部までこだわった空間に!

白をベースに、茶とグレーでカラーリングしたカフェスペース。

カウンター席は“おひとりさま”を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

和カフェらしい器を並べたディスプレイも素敵です。

座り心地を優先した椅子は天童木工製。

椅子の高さに合わせたテーブルもオーダーメイドで、余計なものをそぎ落とした空間が居心地の良さをつくります。

ソファは杵屋の「一星マーク」に見立ててつくったものなんだそうです。

一が羊羹、○がまんじゅうを意味する「一星マーク」

つい長居してしまいそうな窓際のスペース

「菓子店は、来店していただいても滞在する時間が短いんですよ。用事があってもなくてもおいでいただき、ゆっくりしてもらえる場所をつくりたかったんです」(菅野さん)。

3. 「杵屋本店」は参拝客に饅頭を販売したのが始まり

「きねや菓寮」を手がける「杵屋本店」は、1811(文化8)年に南陽市宮内で創業しました。

この地区には“東のお伊勢様”と呼ばれる熊野大社があり、当時は今以上に多くの参拝客が訪れていました。
その参拝客に向けて饅頭を作り、販売したのがこの店の始まりです。

明治に入ると看板商品は「煉羊羹」に。
2時間丁寧にしっかりと練り上げ、寒天を入れてから更に練り続ける…
火加減、練り加減がおいしさを左右するので一瞬たりとも気が抜けません。

昭和20年代、50人居た職人の中でも、羊羹をつくる作業はたった2人しか許されていなかったそうです。

大正10年の頃の様子

1930(昭和5)年には宮内本店の裏に「カフェーキネヤ」を開き、当時は大変珍しかった洋食やデザート、お酒も提供していました。

こうした歴史も「きねや菓寮」誕生の背景とリンクしています。

今では県内に15店舗を展開し、山形を代表する菓子店として広く知られる存在ですが、今日に至るまでは様々な困難があったそう。

困難に立ち向かいながらも伝統を守り、時代の変化に対応しつつお客さんのニーズに応え続ける。
そうした姿勢は200年以上経った今も変わることはありません。

4. 小豆の風味を最大限に引き出す製餡の技術

杵屋と言えば『あんこ』。

継承した技法で「自家製餡」にこだわり続けています。

大規模な設備が必要なうえ手間もかかることから、全国の菓子店で自家製餡を貫いているのは1割ほど。

特に、こしあんをつくる作業は、皮むきから煮る、濾す、練る…と工程も多く、大変な労力が求められます。

製餡する日の気温や湿度を見定め、小豆の風味を最大限に引き出すのは経験を積んだ職人の技。

材料の小豆は北海道産。中でも品質が良いとされる十勝地方産を厳選し使用しているため、高品質な小豆が持つ、雑味がなくクリアな美味しさのあんこが味わえます。

5. 体験のエッセンスを加えた和スイーツとお茶

① 自分流で楽しむ「どらやきプレート」

メニューにはどれも食べたくなる和スイーツが。

今回は、ここでしか食べられないスイーツをいただくことにしました。


どらやきプレート 990円 (税込)

注文したのはどらやきプレート。

ふわふわの皮に、こしあん、粒あん、生クリームを好きなだけサンド。

さくさく食感の最中にもたっぷり詰めて。

あんこのおいしさを存分に味わえるのはもちろん、自分で作る楽しさも体感できるので子どもたちにも人気です。

② 賞味期限 10~15分の「搾りたてモンブラン」

搾りたてモンブラン  1,540円(税込)

じっくりと低音で焼き上げたふわふわサクサクのキャラメルメレンゲを生クリームで包み、その上に愛媛県産の最高級の和栗を使ったマロンペーストをたっぷりと絞ったモンブランです。

1mmの細さのマロンペーストを目の前で。食べる前からワクワクのし通し。

賞味期限を設けているのは、キャラメルメレンゲのサクサク感を味わってほしいから。

空気を含みながら絞るので、マロンペースト自体もふんわりと、栗の風味がより強く感じられます。

マロンペーストとキャラメルメレンゲの甘さがバランスよく、食感も軽いので一人でもぺろり!
来店して味わってほしいイチオシのスイーツです。

その他に、杵屋を代表する銘菓「リップルパイ」をクルミ餡と生クリームでミルフィーユ仕立てにした「生リップルパイプレート」などオリジナルメニューもありますよ。

③ 極上のお茶とともに

スイーツと味わいたい飲み物も、北欧紅茶、Tsuki coffeeブレンドのコーヒー、わらびもちドリンクなどバラエティ豊か。

今回は日本茶をセレクトしました。

極上ほうじ茶 660円 (税込) ※3煎分

こちらで提供する日本茶は、300年の歴史を持つ京都の「一保堂茶舗」から仕入れた極上のお茶。
日本茶の魅力や味わいをより楽しんでもらえるよう、自分でお茶を淹れるスタイルです。

「急須の半分まで注いだら30秒蒸らしてください。2煎、3煎目は蒸らすことなく注いでくださいね」と、お店の人がおいしく淹れるコツを伝授してくれます。

最後の一滴までしっかり注いで。
香ばしさとほんのりした甘みが特徴のほうじ茶は、丁寧にいただきたい格別な一杯です。

6. カフェでまったり過ごした後はショップへ

ショーケースには定番から新作のお菓子までたくさんの種類が並んでいます。

季節を彩る上生菓子。

七夕の夜空をイメージした創作羊羹「星合いの空」。

過去に使用していた木製番重を什器として使用し、歴史を感じる素敵なディスプレイとなっています。

カフェで使用している新庄東山焼、平清水焼、信楽焼などの器も購入できます。

可愛らしい杵屋オリジナルグッズもありますよ。

きねや菓寮では、暮らしを楽しむ提案もしていきたいと考えているそうです。

7. メッセージ

最後に、菅野さんにVISIT YAMAGATAをご覧の皆さんへメッセージをいただきました。

「当店には0歳から100歳まで幅広いお客さまがおいでくださいます。ゆったりとした空間に身を置きながら、おいしいお菓子とお茶を味わってください。皆さんにワクワクしていただけるよう、さまざまな提案をしていきます」。

詳細情報

きねや菓寮

きねや菓寮

【営業時間】
SHOP:9:00~18:00
CAFE:10:00~18:00 [L.O. 17:00]
【定休日】
月曜日
【住所】
山形市東青田4丁目1-40
☎ 023-622-4480

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