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【特集記事】山形県 出羽三山「羽黒山」を訪ねて|死と再生を辿る「生まれかわりの旅」へ

山形ちゃん

山形ちゃん

おいしい山形県庄内生まれ。山形県民。会社員として働きながら、インスタグムを中心に山形県内のグルメや観光情報をゆるりと発信しています。県内のウェブメディアのライターやSNSワークショップ講師などの活動も行なっています。大好きな山形県を綴ります!

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山形県の中央に広がる修験の山「出羽三山」は、羽黒山、月山、湯殿山、三山の総称です。

今回は、その中のひとつ「羽黒山」へ参拝に参りました。

自然のエネルギーに満ち溢れ、実に心地の良いひとときを過ごせました。

ありのままの体験レポートですので、ぜひご覧ください。

1. 出羽三山への参拝「生まれかわりの旅」

出羽三山である「羽黒山」「月山」「湯殿山」はそれぞれの「時」を表しており、三山を巡ることは、死と再生を辿る「生まれかわりの旅」と江戸時代に庶民の間で広がりました。

その歴史ある信仰は今もなお受け継がれています。

下記にそれぞれの山が表す「時」と祀る「神仏」をまとめました。

現在「羽黒山」: 現世の幸せを祈る山
        聖観世音菩薩 (現世利益の仏)

過去「月山」: 死後の安楽と往生を祈る山
        阿弥陀如来 (死後の救済仏)

未来「湯殿山」: 生まれかわりを祈る山
         大日如来 (永遠の生命の象徴)

現世を生きながら、新たな魂として生まれかわることができるという巡礼は身体も心もリセットされるような、神秘的な体験ですね。

2. 羽黒山の歴史

ところで、羽黒山の歴史はご存知でしょうか。

羽黒山の開山は、約1,400年前に第32代崇峻天皇(すしゅんてんのう)の*皇子である蜂子皇子(はちのこのおうじ)が三本足の霊鳥に導かれ、羽黒山に登拝したのが始まりといわれています。(*皇子=天皇の息子)

出羽三山の中でも最も村里近くに位置している羽黒山は、古くから人々の現世利益を叶える山として知られていました。

また、羽黒山には修験道(しゅげんどう)が存在します。

修験道とは、自然信仰に仏教や密教が混じり生まれた日本独特の山岳信仰のことです。

羽黒山には山伏と言われる即身成仏 (=生きたまま悟りを開く)するための修行を目的とした行者がおり、その修業は現世にも受け継がれています。

毎年8月下旬から9月頭に「秋の峰入り」と呼ばれる修験者になるための修行が行われています。

かつては女人禁制でしたが、今は女性だけの山伏修行(神子修行道場)や、欧米を中心とした外国人の方も参加されているようです。

3. 参拝体験レポート

① 国宝羽黒山五重塔

今回は、鶴岡市内から自家用車を利用し、羽黒山参道の入り口である「随神門(ずいしんもん)」へと向かいました。

付近の無料駐車場に駐車し、徒歩3分ほどで到着です。

随神門の授与所では、御朱印をいただくことも可能です。

五重塔御朱印と*末社天地金神社の御朱印があり、限定の御朱印の際は行列ができるほど人気だそうです。
(*末社天地金神社=随神門の右手前にある朱塗りのお社の神社)

こちらが神域への入り口となる随神門。門をくぐると石段のスタートです。

最初の坂である「継子坂(ままこざか)」を下ります。両脇にそびえ立つ杉の木から溢れる光が綺麗でした。

赤い橋が見えてきたのと同時に水が流れる音が聞こえてきました。

こちらは「神橋(しんきょう)」と呼ばれ、山上と俗性を分ける境界となっているそうです。祓川(はらいがわ)に勢いよく落ちる滝「須賀の滝」は、圧巻の迫力でした。

緩やかな参道を進んでいくと、天然記念物と記載のある「爺杉」に出会いました。

なんと樹齢1000年以上。幹の太さに驚かされました。

爺杉のそばにあるのが、「五重塔」です。

東北地方最古の塔として国宝に指定されています。

遠目から見ても圧倒的な存在感がありますが、杉の木に囲まれた静けさがさらに荘厳な雰囲気を醸し出しています。

② 一の坂

ここからいよいよ本格的に石段を登りはじめます。

羽黒山には三つの坂があり、それぞれ「一の坂」「二の坂」「三の坂」と呼ばれています。

いざ、一の坂から気合いを入れて登ります。

一の坂を登り終えた頃、葉山祇神社(はやまづみじんじゃ)が祀られていました。

山の麓を司る神として登山者の安全を見守っているようです。

③ 二の坂

「二の坂茶屋」に到着です。ここでは昔ながらの力餅がいただけます。

新しく建て替えたお店は、当時の景観や雰囲気の名残がある温かい雰囲気でした。

営まれているご一家は、営業シーズン中はなんと毎日石段を登り、ご準備されているそうです。

では、ここで一休み。

お抹茶とあんこときなこの力餅のセットをいただきました。

ほろ苦いお抹茶と程よい甘さのお餅に思わずにっこり。

二の坂茶屋からは、絶景の庄内平野が望めます。

ここまで頑張って石段を登ってよかった…!と心から思いました。


そして、店内奥からはトチノキを目の前に見ることができます。

サラサラと葉が揺れる姿に疲れた体が癒やされました。

澄んだ空気を深く吸い込み、三の坂頑張るぞ!と意気込みます。

④ 三の坂

少しずつ緩やかな道になってきました。



三の坂を登り、少し進んだ所には「斎館」があります。

「斎館」では、昔から羽黒山に伝わる精進料理をいただくことができます。(予約制)

庄内産の山菜など、旬の食材を使用した伝統的なお食事を味わってみてはいかがでしょうか。

ついに、ゴールの鳥居が見えてきました!

ここまで2,446段の石段を登ってきました。

無事に山頂に辿り着いた安堵感で、足どりが軽くなりました。

4. 車で気軽に参拝

この石段を登るのは難しいという方には、車で山頂まで向かうルートもありますのでご安心ください。

羽黒山有料道路は、県道から羽黒山頂に直結しており入山する際は通行料を支払います。

山頂付近には、無料の駐車場があるので便利です。

その他、バスの利用も可能ですので、詳しくはこちらをご覧ください。

5. 出羽三山神社

山頂にある三神合祭殿(さんじんごうさいでん)は、国指定重要文化財です。

出羽三山それぞれの神々が祀られているため、三神をお参りすることにより「生まれかわりの旅」としてのご利益を授かることができます。

三神合祭殿の手前には「*鏡池」があり、お賽銭箱が設けられている場所から水面に映る様子を見ることができます。
(*鏡池=古くから多くの人々により奉納された、銅鏡が埋納されているので鏡池と呼ばれています。)

そして、隣の建物「出羽三山神社参集殿」では、ご祈祷の受付やお守りの販売を行なっています。

6. お土産処

駐車場のすぐ脇には、お土産屋さんとお食事がいただけるお店があります。

羽黒山にまつわるお菓子や、庄内産の工芸品などが販売されており、見ているだけで楽しくどれにするか悩みました。

また、レトロなお土産屋さんが並んでいるこちらでは、伝統工芸品の販売や、山形名物玉こんにゃく、力餅などの軽食が提供されています。

7. まとめ

いかがでしたでしょうか。

羽黒山参拝は、小学生の頃から学校行事などを通して何度も親しんできました。

足を運ぶ度に違った雰囲気を楽しめるのも羽黒山の魅力のひとつ。

季節の移り変わりを楽しむのもおすすめです。

今回山頂までの道中、お年を召されている方も多く見られ、老若男女問わず初心者でも気軽にチャレンジすることができる参拝だと感じました。

もちろん体力に自信のない方は車での参拝をおすすめします。

みなさんも羽黒山で心と身体をリフレッシュし、「生まれかわり旅」を体験してみてはいかがでしょうか。

詳細情報

出羽三山神社「羽黒山」

出羽三山神社「羽黒山」

<授与所受付時間>
● 出羽三山神社参集殿(羽黒山頂)
【授与所・朱印所】
 8:40~16:45頃まで
【御祈祷受付】
 8:40~15:45頃まで

● 随神門授与所(羽黒山麓)
【授与所・朱印所】
 9:00~16:30頃まで
 ☎ 0235-62-2355

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