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【特集記事】日和山公園とおすすめ散策スポット|大正ロマンあふれる小幡楼と港町酒田の歴史をご紹介
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ほりえ
庄内生まれの管理栄養士ライターです。もともと自然が好きで、さくらんぼや芋煮以外にも、Uターンして感じた山形の魅力、話題のスポットからひっそりと隠れた名所まで地元民ならでは情報をピックアップ。おすすめのグルメ情報もお届けします。

酒田のシンボルとして親しまれる「日和山公園」。
その昔、酒田港に出入りする船頭たちがここからの日和(=天候)をみて出航の判断をしたのが名前の由来だそうです。
今回はそんな日和山公園の魅力と、近くのおすすめの散策スポットをご紹介します。
2021(令和3)年10月にオープンした、食の観光交流施設「小幡楼」も見どころの一つですよ。
ぜひご覧ください!
1.日和山公園の魅力~桜まつりや紅葉も
日本の都市公園百選にも選ばれている「日和山公園」。
春は桜の開花(4月中旬)に合わせて桜まつりが開催されます。
お祭りの間は400本もの桜が咲き誇り、屋台のいい匂いに惹かれながら、おいしいグルメを片手にお花見ができますよ!

そして、秋には木々の葉が赤やオレンジに色づき、紅葉を観に来る人々で賑わいます。
園内には日本最古級の木造六角灯台や千石船の模型など、ほかにも歴史的な建造物が多数。
これは、江戸時代から西廻り航路の寄港地として、酒田が繁栄していたことの象徴でもあります。
今回は、その一部をご紹介しますね!
・千石船 (日和丸)
まず、日和山公園の真ん中には凛々しい帆船「千石船 (日和丸)」があります。
桜や鮮やかな紅葉と調和する画角で、ついついカメラを構えたくなる抜群の景観なんです!

周りは池になっていて、日本海の荒波をかけ抜ける千石船のイメージが浮かんできます。
「石」は容量の単位のこと。
千石船にはおよそ150トンもの荷物が積めるという意味で名づけられました。
近くで見ると、よりどっしりとたくましい姿でかなり迫力があるのですが…!
これでも実際の1/2の大きさで、これ以上のサイズの船が酒田の湊を行き来していたと考えると、当時の活気あふれる酒田港の様子が伝わってきますね!
・展望広場
日和山公園には、もう一つキラキラと輝く海辺が一望できるスポットがあります。
それが、展望広場からの酒田港や日本海の景色です!

爽やかな潮風香る日中の景色はもちろん、日本海に沈む夕陽も圧巻です!
季節によって日の入りの時間は異なりますが、夏は7時前、冬は4時過ぎ頃に通りかかった際はぜひ立ち寄ってみてください。
詳細情報
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日和山公園
住所:酒田市南新町1-127番外
☎ 0234-26-5745☎ 0234-26-5745
【お問合せ】
酒田市都市計画課
2.日和山小幡楼(旧割烹小幡)
日和山公園を散策したあとは、ゆったりと海をながめながらのお食事はいかがでしょうか。
今回は2021(令和3)年10月にオープンした、食の交流観光拠点「日和山小幡楼」にお邪魔しました。

小幡楼の前身である旧割烹小幡は1876(明治9)年創業で、和と洋の雰囲気が融合した3階建ての建物。
あの板垣退助や皇族の方も訪れる老舗の旅館でした。
その歴史的価値から第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の舞台にも抜擢されるほど、大正ロマンあふれる建物なんです。
日和山公園の入口には映画のセットを再現したパネルもあり、撮影当時の面影を知ることができます。
現在の建物は当時の階段や柱などを活かして改装され、正面の和館には「ヒヨリベーカリー&カフェ」、左側の洋館にはカフェレストラン「日和亭」と2つの素敵なお店が並んでいます。
「現代的なオシャレ空間の中に、酒田の町家の雰囲気が融合した ほかにはない建物なのでは…!」と筆者は入る前からわくわくしていました 笑
ではさっそく小幡楼の中に入ってみましょう!
・ヒヨリベーカリー&カフェ
扉を開けると、温かみのある店内と焼きたてパンの香りにうっとり。
取材時は10月ということで、入口正面にはハロウィン仕様のかわいいクッキーや素材を活かしたこだわりの商品が並んでいました。
おしゃれなパッケージなので、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれそうです。

入って右手にはパン屋さん「ヒヨリベーカリー」があり、その奥にはカフェが併設されていて、購入したパンや軽食、飲み物などがいただけます。

それにしても…焼きたてのパン一つをとっても、細部までこだわりを感じるラインナップ。
シンプルなお食事パンからスイーツパンまで、ほかではみられない幅広いジャンルの品揃えに驚いてしまいます。
旬の野菜や地元産の食材を使ったパンが多く、職人さんの愛と食へのこだわりをたっぷりと感じました!

店の奥には広めのイートインスペースがあり、豊かな自然とともに酒田港や日本海、市内の街並みが一望できます。
この素晴らしい景観からかつて「瞰海楼 (かんかいろう)」と呼ばれていた旧割烹小幡。

当時のチラシからも、この窓から眺める景色がお店の売りの一つであったことがわかります。

イートインスペースは、1階のほか2階にもあり、広々とした畳敷きの空間でゆったりと食事を楽しむことができます!
今回は2階の展望スペースでパンをいただきました。

気づいたら3つもパンを購入していた筆者…。
左から、自家製キーマカレーパン、地元産のウインナーと秋野菜のパン、つぶつぶのチョコがたっぷりのコロネとアイスティーです。
秋野菜のパンはかぼちゃやマッシュルーム、ベビーコーンなど、秋の味覚がごろっと勢ぞろいした贅沢な一品。
ジューシーな旨みのウインナーと野菜の甘みや食感が引き立ち、とても幸せな気持ちになりました。
店員さんがおすすめするのも納得です!
日和山小幡楼HPより引用
また、カフェではドリンクはもちろんのこと、ハンバーガーやサンドウィッチ、スープ、パンケーキ、スイーツまで幅広いメニューの中から注文できます。
今回は商品のごく一部をご紹介しましたが、休日の朝やパンが食べたい気分の日など、何度足を運んでも新しい発見がありそうです…!
また、店内には山形・庄内地域のものを取りそろえたセレクトショップもあり、お土産にも喜ばれそうな商品が並んでいます。

地元の野菜を使ったピクルスやパンに合いそうなディップソース、ハチミツなど、食卓のお供にぴったりな品がたくさんありました。
学生時代に給食でお世話になった地元酒田の田村牛乳のクッキーを見つけて、一気にテンションが上がりました。
とにかく懐かしい…!
それぞれ「どんな味がするんだろう…」とわくわくしながら、時間を忘れてついついお土産選びに没頭していました。
もう一つ見入ってしまったのが、県内出身のデザイナーの方が作った陶芸品です。

見てください!この愛着がわく可愛らしさ!
温かみのあるマグカップに、ちょっとしたおかずをのせるのにぴったりなプレート。
和食にも洋食にもなじむシンプルなデザインに見えますが、遊び心のある模様やざらっとした素朴な質感がとっても素敵なんです!
落ち着いた色合いで日々の食卓にも使いやすく、ごはんの時間がもっと楽しくなりそう!
ぜひお気に入りの作品を見つけてみてくださいね。
詳細情報
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ヒヨリベーカリー&カフェ
営業時間:9:00~18:30
(L.O. 18:00)
定休日:不定休
住所:酒田市日吉2-9-37
☎ 0234-25-5729
・日和亭
ヒヨリベーカリー&カフェの左側には、カフェレストラン日和亭があります。
では、中に入ってみましょう。

店内は温かい日光がやさしく差し込む、落ち着いた空間でした。

ここでは旧割烹小幡の伝統的なレシピに、新しい文化を取り入れたような温もりのあるランチがいただけます。
今回のお目当ては、イタリア伝統の作り方で小麦の風味をたっぷりと引き出した無添加の生パスタ。
期待に胸を膨らませて、いざ実食です!

今回はランチの小幡コースを注文。
パンとサラダ、日替わりのスープにこだわりのスパゲッティがそろった、この鮮やかな彩り!
玉ねぎのドレッシングはさっぱりとしていて、シャキシャキのレタスとよく合います。
日替わりのスープはかぼちゃ本来の甘さを活かした濃厚な味わい!
じわ~っとしみわたるようなまろやかさで、素朴な味わいのパンを浸してもおいしかったです。
スパゲッティは4種類(季節のスパゲティを1つ含む)の中から選べました。

その中から、今回は山のナポリタンを選びました。
店員さんによると、舟形町産の生のマッシュルームが入っているそうです。
どうりで温かい湯気と一緒に、マッシュルームのいい香りがふわっと立ちのぼってくるんですよね…!
そして、いただいてまず最初に驚いたのが、もちもちっとした弾力のスバゲッティ。
「これが生パスタか!」と心の中で叫んでしまうくらい、人生で食べたスパゲティの中で圧倒的No.1のもちもち感でした!
しかも、風味豊かなパスタに甘めのナポリタンソースがよくからむんです。
濃厚な旨みのベーコンと舞茸などの山の幸もたっぷり。
粉チーズのコクも絶妙にマッチしていて、とても奥深いリッチな味わいでした!
またプライベートで来店したいと思うくらい、すっかり生パスタのおいしさに魅了されてしまいました…。感服です!
ランチタイムは鳥海セット、小幡セット、日和セットの3種類から選べます。
日和山小幡楼HPより引用
また、前日までに予約をすれば、ディナーにコース料理も楽しめます(17:00~21:00まで)。
ゆったりとした空間でのランチやティータイム、特別な日のお食事など、ほかにもさまざまなシーンで利用できるレストランです。
来店の際は、自家製のもちもち生パスタもぜひ味わってみてくださいね!
詳細情報
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日和亭
営業時間
ランチ:11:00~15:00 (L.O.14:30)
ディナー:前日までの予約制
17:00~21:00 (L.O.20:00)
定休日:不定休
住所:酒田市日吉町2-9-37
☎ 0234-25-5729
3.山王くらぶ
次に訪れたのは、日和亭のある坂を下って左に曲がったところにある「山王くらぶ」。
ここは国の登録有形文化財にも認定されていて、酒田の歴史や文化にふれられる施設です。

もともとは酒田を代表する料亭で、館内ではその名残や当時の様子をより詳しく知ることができました。
明治時代に港から上方文化(京や大坂を中心とする文化)が入ってきたのをきっかけに、酒田の商人たちはお茶や生け花、俳諧などの教養を身につけていったそうです。
この頃の日和山周辺は、華やかな料亭文化の町だったといわれています。
そんな料亭のお部屋には、客人をもてなす工夫がいっぱい。
いくつかピックアップしてご紹介します。

ここが大広間で、テーブル席で200人、お膳で120人ほどの大きな宴会が行われていたそうです。
そして、ここは小部屋。

別名「蔵屋敷」ともいい、ほかの部屋より外壁が厚くなっているため、外からの声が聞こえにくく、静かなのが特徴です。
当時の料亭は商談や社交の場としても利用されていて、企業の社長さんなどが好んで使っていたようです。
山王くらぶではこのような歴史的な展示のほかに、期間限定で傘服の特別展示も行われています(入館料410円、特別展示中は800円)。

2階の創作の間では、特別期間外でも美しく鮮やかな傘福が見られます。
その飾りの一つ一つに、願いや意味が込められているのを知っていますか?
例えば、ねずみは子孫繁栄の象徴で、働き者という意味が込められています。
また、「さるっこ」と呼ばれる飾り物なには、災いや病が去るという意味合いがあるそうです。

かわいらしい見た目と、明るく前向きな願いが込められた飾り物って素敵ですよね…!
ほかにも生地の美しさや個性あふれる飾りがたくさんあったので、じっくり拝見してみるのもおもしろいですよ。
1階の売店では、傘服の手作りキットや愛くるしいキーホルダーを発見。
手持ちのバックやちょっとしたお守りにぴったりなサイズ感でお土産にもぴったりです!


山王くらぶでは事前に予約して来店すると、傘服作りの体験ができます。
酒田の伝統工芸品の展示やイベントなども行われているので、ぜひ足を運んでみてください。
詳細情報
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山王くらぶ
営業時間:9:00~17:00
※入館受付は16:30mで
休館日
12月~2月:毎週火曜日
(祝日は開館し、翌日休館)
3月~11月:無休
年末年始:12月29日~1月3日
住所:酒田市日吉町2-2-25
☎ 0234-22-0146
4.日枝神社
最後に、日和山公園の向かい側にある筆者おすすめの場所、日枝神社をご紹介します。

11月中旬の日枝神社は、門を守るように2本のイチョウの木が鮮やかに色づいてとてもきれいです。
ふわふわの落ち葉はまるで黄色い絨毯のよう。
年明けの初詣には多くの参拝客が訪れ、5月は酒田まつりが行われます。
酒田まつりは1609(慶長14)年から続いている、日枝神社のお祭りです。
境内に続くまっすぐな道に沿って屋台も出店し、その時期は大変にぎわいます。
そして、3月頃には、本殿の左側にぱっと鮮やかな濃い紅色の梅が咲き、いち早く春の訪れを知らせてくれます。
まだ肌寒い季節にふわりと香る、梅の花の香りをぜひ感じてみてください!
詳細情報
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日枝神社
住所:酒田市日吉町1-7-19
☎ 0234-22-0274
5.終わりに
今回は、日和山公園とその周辺のおすすめ散策スポットをご紹介しました。
展望台から見える港の景色や秋の紅葉、桜まつりなどのイベントに合わせた来訪もおすすめです。
また、日和山小幡楼でいただく、焼きたてのパンやもちもち生パスタのスパゲッティは絶品!
港町の風情が感じられる日和山公園の周辺は、実は趣深いスポットがてんこもりですよ。
ぜひ周辺を散策するときの参考にしてみてくださいね。
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