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【特集記事】重要文化財 旧柏倉家住宅|出羽の国の大庄屋 紅花豪農の屋敷で歴史と自然に触れる時間

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naka
山形県在住のライターnakaです。 大学時代を山形で過ごし、県外に就職しましたが結婚を機にまた山形に戻ってきました。 山形は雄大な自然と美味しい食べ物にあふれた宝箱のような場所です。 まだまだ知られていない地元民ならではの旬な情報を中心に、山形のとっておきの魅力をお届けします。

江戸時代、全国有数の紅花生産地として名高かった山形の紅花は「最上紅花」と呼ばれ、その質の良さから「米の百倍、金の十倍」もの価値があるとされていました。
今回はそんな「紅花の国」山形において、当時生産量最多級の豪農として名を馳せていた柏倉家の華やかで趣のある屋敷をご紹介します。
1. 旧柏倉家住宅とは

山形市の北西に隣接する中山町は、芋煮会発祥の地と言われています。
江戸時代には紅花生産が盛んな町でした。
その中で、村山地方でも最多量級の紅花生産をしたのが柏倉家です。
経営は地主と金融が中心でしたが、良質な紅花づくりにも励みました。
旧柏倉家住宅は、明治期の上層農家の暮らしぶりを今に伝える大規模住宅です。
当主は代々「九左衛門(くざえもん)」を名乗り、江戸時代には山形藩の大庄屋を務めていた時期もありました。
屋敷は江戸時代後期に建てられ、明治期の大規模改修で現在の形になったといわれています。
近年、その文化的価値が高い評価を受け、2019(令和元)年に国指定重要文化財に認定されたほか、2018(平成30)年には日本遺産、2019(平成31)年には日本農業遺産の構成団体として多方面からその魅力が認められています。
2 屋敷のご紹介
柏倉家では、当主が京都に遠出する際には、お抱えの大工職人を同行させ、当時の最先端・最高峰の技術を屋敷作りに取り入れることがあったそうです。
今回はその一部をご紹介します。
①ニワ

ニワとは農家の入口の土間のことです。
屋敷に一歩足を踏み入れると、まるで明治時代の農家にタイムスリップしたかのような景色が飛び込んできます。
ニワの一角に米俵が吊られています。

これは大切なお米が害虫に食べられるのを防ぐための工夫です。
米俵をこれほど吊るしてもびくともしない立派な梁(はり)は、日々の暮らしの中で長い年月をかけて自然にいぶされてきた味わいのある色をしています。
米俵の奥に見える部屋は、行商人や薬売りの宿泊用に使われていたこともあったそうです。
②カッテ(勝手)

奥に見える部屋が家族や女中達が食事をしていたカッテ(勝手)という部屋です。
ここで珍しいものを発見しました。

下の段に置かれている小さなお釜、何に使われていたものだと思いますか?
実はこのお釜、「ヘッツイ」と呼ばれるもので、仏様へお供えするご飯専用に使用されていたものなんです。
柏倉家は信仰心が厚いことでも有名ですが、それを裏付ける証といえる一品です。
③ナカマ(中間)
次に進むと当主夫妻の寝室兼執務室のナカマ(中間)見えてきます。
その部屋には、一般家庭ではなかなか見られない大きくて重厚な金庫が置かれています。

この金庫は当時の一号金庫といわれています。
ここで、柏倉家など古民家に行ったら必ずチェックしてほしいポイントをお伝えします。
それは、部屋の柱と柱を水平につないでいる長押(なげし)に付いている装飾、「釘隠し」です。

この釘隠し、実は部屋ごとに違うデザインが施されています。
小さな装飾の一つひとつにもこだわりが垣間見えますね。
ぜひご自身の目で確かめてみてください。
④カミザシキ(上座敷)

お殿様をはじめとした特別なお客さまをお迎えするときに使用されていた部屋です。
特に注目すべきは5種類もの銘木が使用されている床の間。
床柱や床板一本一本の材質が異なっています。

このカミザシキだけで黒柿、ビンロウジュ、カリンなど7つの銘木を使用した贅沢な作りとなっています。

障子に使われている紙も透かし入りの美濃和紙といって、現在は生産されていない大変貴重なものです。
⑤庭園
上座敷からは、美しい中庭を望めます。

鶴亀の庭と呼ばれ、紅葉が美しいことで有名です。
撮影当時はツツジが咲き誇っていました。
季節によって違った風景をみせてくれます。
ガラス戸に使用されているのは明治から大正期まで製造されていた「大正ガラス」です。
大正ガラス特有の不規則な波打ちから生み出される景色の繊細なゆらめきがレトロ感を感じさせてくれます。
ゆっくりと眺めたいスポットです。
⑥ブツマ(仏間)
旧柏倉家住宅を語るうえで決して欠かせないのがこのブツマ(仏間)です。

個人宅の仏壇とは思えない大きさに思わず圧倒されます。
この仏壇は水運が盛んだった江戸時代に北前船で運ばれてきた京仏壇で、浄土真宗の総本山の一つ東本願寺を模して作られたものです。
ご本尊の阿弥陀如来像は家伝では室町時代の作と伝えられ、本山から特別の許可をいただき300年以上ものあいだ変わらず安置しつづけています。
仏壇の上部にみえる欄間(らんま)には日本三景の宮島、天橋立、松島が描かれています。
一族出身の絵師、柏倉雪章(せっしょう)画伯の原画をもとに山形の仏壇職人によって彫られました。

仏間からは臥竜松(がりゅうまつ)と呼ばれる見事なアカマツと中山町長崎地域を一望できます。

そしてこのブツマ(仏間)、朝や夕方の優しい日差しを受けると、厳かさとともに和やかな印象が増して見え、心が落ち着くそうです。

ご本尊を間近に見たとき、息を吞むほどの荘厳さに思わず背筋がシャキッとする感覚を覚えました。
ぜひ一度足を運んで体感してみてください。
⑦散策路

庭園を取り囲む散策路を通り裏山へ入ると、足元には竹を砕いたチップが敷きつめられ、クッションのようにフカフカとした歩き心地です。
森林の香り、鳥のさえずり、四季の変化を全身で感じながらゆっくり歩いてみてください。
癒されること間違いなしです。
3. 散策の後にちょうど良いナチュラルなカフェ
・Oraiカフェ
旧柏倉家住宅から歩いて約3分にあるOraiカフェさんにも立ち寄りました。

黒塀の間から一歩敷地に足を踏み入れれば、そこには整備された広い庭の中に佇むおしゃれな外観のカフェが!

Oraiカフェでは敷地内の庭でとれるハーブや野草など季節にあわせたメニューを中心に提供しています。
この日のメニューはこちらです。


ランチセットをいただきました。

おにぎりは7種類の具の中から塩むすびとふきのとう味噌を選びました。
この庭でとれたふきのとうは雑味が少なく、程よいほろ苦さがとても美味しいです。
注文したメニューはすべてお店の外でお庭を眺めながら飲食可能です。
せっかくなので「フレッシュハーブのティーソーダフロート」をお庭でいただきました。

ティーソーダフロートにたっぷり使用されているハーブは「カキドオシ」という風味が優しい和のハーブ。
口に運んだ瞬間、清々しい香りが広がります。
ハーブは注文が入ってから店長自ら庭で摘んできてくれます。
この日神奈川県から来たというお客さんもその様子を見て、「新鮮すぎるでしょ!」と驚いていました。
お庭で心地よい風に吹かれながら美味しいランチをいただく贅沢な時間。
秘密基地のようなとっておきのカフェを見つけました。
Oraiカフェでは事前予約でピザ釜でのピザ焼き体験もできますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
詳細情報

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oraiカフェ
山形県中山町岡17
4 VISIT YAMAGATAをご覧の皆さまへ
最後に、旧柏倉家住宅を管理されている中山町教育委員会 主任兼学芸員 左治木(さじき) 悠子さんからメッセージをいただきました。

東京都出身の左治木さんは地域おこし協力隊として旧柏倉家住宅の管理・保存活動に尽力し、任期終了後そのまま中山町に移住された経歴をお持ちです。
「旧柏倉住宅は里山のふもとの自然豊かな場所にあり、訪れるたび新しい発見があって何度も足を運びたくなるところです。北前船で運ばれてきた珍しい仏壇をはじめ、江戸、明治の生活を垣間見れるものが沢山ありますので、皆さんぜひお越しください。」
詳細情報

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旧柏倉家住宅
山形県中山町岡8
023-687-1778023-687-1778
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