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【特集記事】味噌職人がつくるカレーは野菜の旨味たっぷり!|山形県河北町「糀屋カフェたんとKitchen」で味わう糀グルメ
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naka
山形県在住のライターnakaです。 大学時代を山形で過ごし、県外に就職しましたが結婚を機にまた山形に戻ってきました。 山形は雄大な自然と美味しい食べ物にあふれた宝箱のような場所です。 まだまだ知られていない地元民ならではの旬な情報を中心に、山形のとっておきの魅力をお届けします。

山形県は日本でも有数の豪雪地帯として知られる場所です。
日本海からの寒気の影響で、冬の間の平均気温が氷点下を下回る日も珍しくありません。
今回はそんな寒い山形の冬に食べたいあったかグルメを求め、河北町にある「矢ノ目糀屋」を取材しました。
身体を内側から温め、免疫力をアップする効果があるといわれる味噌や糀 (こうじ)をたっぷり使ったメニューが盛りだくさんですよ!
それでは寒い冬を元気に過ごすパワーをもらいに、早速行ってみましょう!
1. 矢ノ目糀屋とは
矢ノ目糀屋は東北中央自動車道の東根ICから車で約10分、雛とべに花の里・河北町にあるお店です。
かつては米屋の貯蔵庫として使われていた築およそ100年の土蔵を店舗兼カフェとして利用しています。
戦後間もない頃から四代にわたり味噌を作り続けてきた矢ノ目糀屋。
三代目までは村山市で営業をしていましたが、店主ご夫妻が四代目を継承するにあたり、現在の店舗がある河北町に本拠地を移しました。
2. ぬくもりあふれる蔵の中
雪がちらつき、鼻先が冷たくなるような空気の中、蔵の重厚な扉を開くと、そこには「待っていたよ」と言わんばかりのぬくもりにあふれた空間が広がっていました。
店内の内装には、近所の人たちからのいただきものや解体した家屋の廃材などが利用されています。
こちらのテーブルも漬け物樽と廃材を利用してご主人自らが作り上げたものです。
3. 絶やしたくなかった郷愁の味「五八みそ」
入口を入ってすぐのショーケースには、味噌をはじめとした糀製品が並んでいます。
看板商品の天然醸造十五割米味噌「五八みそ」です。
地元民はもちろん、この味に魅せられた県内外の人たちがこの味噌を買い求め、店を訪れます。
取材中に来店したお客さんの中には、東京から来たというリピーターも!
自宅で半年以上発酵させて熟成具合を楽しむ「おうちで育てるみそ」も五八みそと人気を二分する商品です。
糀屋をオープンする以前は、東京で学校給食を作る調理員として働いていたという店主ご夫妻。
ある日、矢ノ目糀屋の遠い親戚にあたる奥さんの由美さんのもとに、三代目が体調不良のため糀屋を廃業するとの知らせが入ります。
「五八みそは小さい頃から慣れ親しんだ忘れられない味。この味をなくしたくない」
その思いがご夫婦を突き動かし、廃業の知らせからわずか1週間で四代目を夫婦で引き継ぐ決断をしました。
◆ 手作業による味噌づくり
矢ノ目糀屋は山形県内で一番小さな規模の糀屋です。
糀の仕込みに使う米は県内の農家から直接仕入れ、夫婦2人で協力して仕込みを行っているのだそう。
米の花と書いて糀。
その名前のとおり、米に白い花が咲いたかのようです。
画像提供:矢ノ目糀屋
給食づくりで培った大量調理の技術を活かし、徹底した温度管理のもと、昔ながらの製法にこだわって丹精込めて作り上げます。
画像提供:矢ノ目糀屋
画像提供:矢ノ目糀屋
矢ノ目糀屋では、保存料や添加物は一切使用せず、天然醸造にこだわります。
木製樽でじっくり時間をかけて発酵熟成させて完成です。
画像提供:矢ノ目糀屋
市販の味噌と食べ比べてみると、風味の違いは一目瞭然。
味噌汁にすると自然な甘さとうまみが一層引き立ち、おかわりせずにはいられません。
4. 味噌職人が作る糀グルメ「糀屋カフェたんとKitchen」
味噌や糀、季節の食材をふんだんに使ったメニューが食べられるショップインカフェ「糀屋カフェたんとKitchen」で、人気の3品をいただきました。
◆ 大人も子どももハマる味「糀屋のカレー」
年齢や性別を問わず万人に愛される、野菜のうまみがぎゅっと詰まったカレーライスです。
ルーはキャベツ(冬季は白菜)と玉ねぎベースで、塩分は味付けに使用している味噌のみ。
フライドオニオンの食感と香りがクセになります。
子どもでもおいしく食べられるように辛さは控えめ。
辛味が欲しい場合は特製のカレー味噌をお好みで溶かしてみてください。
ガツンとした辛さがあとを引くうまさで、雰囲気も一気に変わりますよ。
元気なときも、少しお疲れ気味のときも、どんな時でもおいしく感じられる味わいです。
◆ 栄養たっぷり「甘露甘酒」
糀と水だけで作られた特製の甘酒は、濃厚な甘さとほのかなお米の香りが特徴的。
甘酒は栄養価が高く、「飲む点滴」とも呼ばれています。
ブドウ糖や必須アミノ酸などの栄養素が含まれ、疲労回復や美肌にも効果的です。
酒粕で作る甘酒と比べ、クセがなく飲みやすいです。
今まで甘酒が苦手だと思っていた人も一度試してみてはいかがでしょうか。
◆ 特製みそシロップ付き「五八みそプリン」
デザートは特製のみそシロップ付きの蒸しプリンです。
まずは何もかけずに一口食べてみましょう。
ゼラチンを使わず丁寧に蒸しあげているため、柔らかく優しい口当たりです。
実は隠し味として味噌が入っているんだとか!
言われなければ気付かないほど味噌がプリンにそっと溶け込み、あくまで味わい深さを引き出す役割に徹しています。
次は、味噌だまりを使った特製のシロップをかけてみましょう。
シロップは味噌のような、少し醤油にも似たような香りがします。
何もかけないで食べた時とは全く別物のお味!
甘じょっぱくて、みたらしだんごのような風味でいくらでも食べられてしまいます。
どのメニューにも共通して言えるのは、懐かしさと世代を選ばない美味しさ。
初めて食べたのになぜか懐かしさを感じるのは、きっと古くから日本人の食文化に根付いている味噌や糀の力のおかげなのでしょう。
添加物や化学調味料を一切使わなくても、糀のうまみで大満足できるメニューばかりです!
5. ランチの営業日にご注意を
矢ノ目糀屋の営業日は月曜日から土曜日までとなっていますが、ランチは木・金・土曜日のみの営業ですので、来店する際は曜日に注意してくださいね。
なお、仕込みなどの都合により臨時休業や短縮営業となる場合もありますので、事前に矢ノ目糀屋の公式サイトでの確認をおすすめします。
[営業日]
●店頭販売・喫茶 (甘露甘酒など)
月曜日~土曜日
●ランチ
木・金・土曜日
6. 「まめまめしく」糀と向き合う
お店の入口に掲げられた「豆ぐらし」の看板。
矢ノ目糀屋では同名のワークショップを開催し、広く味噌づくりに親しんでもらう活動も行っています。
他にも、「“まめまめしく” * 味噌づくりに励む」という思いも込められているんだとか。
*まじめに、コツコツという意味
調理員時代は給食を食べる子どもたちの顔を見るのが好きだったというご夫妻。
現在もお客さんに直接感想を聞けるのが嬉しいと語り、店頭での営業のほか、県内外で開催されるマルシェ等へ出店し、顔の見える販売を大切にしているそうです。
7. 懐かしくてあったかい、糀グルメを食べにいこう
さいごに、VISIT YAMAGATAをご覧のみなさんにメッセージをいただきました。
「河北町は山形県の真ん中。矢ノ目糀屋はその河北町の中でもちょうど中心付近にあるお店です。
発酵食品が好きな人もそうじゃない人も、土蔵の中でゆっくり過ごしていってください」
画像提供:矢ノ目糀屋
まるで糀のような真っ白い雪が降りしきる山形の冬。
まめまめしく作り上げた味噌と糀料理があなたを待っています。
ぜひ訪れてみてくださいね!
詳細情報
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矢ノ目糀屋・糀屋カフェたんと Kitchen
営業時間:12:00~18:00
定休日:日曜日と毎月28日
✤ 糀屋カフェ たんとKitchen ✤
<ランチ営業日>
木・金・土曜のみ
住所:山形県西村山郡河北町谷地甲90
電話:0237-85-0330
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