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【特集記事】文四郎麩 (東根市六田)|麩 (ふ)ってこんなに美味しいって知っていましたか!?
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ホシママ
旦那さんのUターン転職を機に家族で山形へ移住しました。 山形の人・自然・食に魅了され、今ではすっかり虜になっています。 県外の多くの方に山形の魅力を知っていただけるよう頑張ります! また、「山形の暮らしをより豊かに」をテーマに【やまがたぐらし】(https://fullpokko.com/)という個人ブログも運営中です。 今後も様々な角度で山形の情報を発信していきます。
「山形にこんなに美味しいものがまだあったなんて…」
毎年200軒以上の飲食店を食べ歩いている筆者ですが、今回の取材での素直な感想でした。
その食材の名前は「麩 (ふ)」…。
小麦粉を水で練って作られる昔ながらの食材ですが、「なま麩」や「焼き麩」などその種類は様々。
山形県民の食卓にも古くから根付いており、単品での料理はもちろん芋煮やすきやき、おでんの具としても使用されてきました。
そんな麩をいただくべく、全国でも有数のお麩処である「東根市六田地区」の老舗「文四郎麩」にお邪魔してきました。
創業文久年間という日本でも有数の老舗です。
「麩」を使った料理が味わえるお食事処やおすすめのお土産などもたっぷり紹介していますので、是非足を運んでみてくださいね。
1.文四郎麩とは
①山形と麩の歴史
江戸時代から羽州街道の宿場町として栄えていた東根市六田地区。
今でこそさくらんぼで有名な東根市ですが、江戸時代には紅花の栽培が盛んでした。
7月に収穫が終わる紅花。
次の年に良い紅花を栽培するため、収穫期を終えた土地で小麦の栽培が始まります。
そこから質の良い小麦と湧水を利用して麩作りが始まったと言われています。
この辺りは肉と魚が少ない土地柄で、たんぱく質を補う食材として麩が根付いたそうです。
現在でも六田地区で営業している麩屋は5件。
全国でもここまで残っている地域は山形県だけだそうです。
②文四郎麩
文四郎麩の創業は文久年間。
その歴史はなんと150年にもなります!
質の良い強力小麦粉と六田地区の清らかな水を使用し、昔ながらの製法で1つ1つ丁寧に麩を作り続けています。
現6代目の文四郎さんの代では更に進化を遂げ、麩の料理を味わえる「麩料理処 清居 (せいご)」のオープン、次々と新しい商品やお土産が並ぶ「文四郎麩 販売処」などなど、その魅力に連日たくさんの観光客や地元の方で賑わっています。
2.お土産は「文四郎麩 販売処」で
初めに紹介するのはユニークなお土産が並ぶ「文四郎麩 販売処」。
店内に入るとたくさんの麩がお出迎えしてくれます。
うずまきの形、あられのようなコロンとした形、色どり鮮やかなものなどなど、そのバリエーションの豊富さに驚かされました。
販売しているのは麩だけではないんです。
「ごぼうの麩巻き」や「麩のからあげ」、「六田しぐれ (麩のつくだ煮)」といったお惣菜、
「麩まんじゅう」、「生麩ぜんざい」といったスイーツなど、「これ麩で出来てるの?」と驚くような商品がたくさん!
様々なお料理にも使用できる麩は、贈答用にもピッタリです。
他ではあまり見られない贈答品なので、お土産などの贈り物にマンネリ化を感じている読者の皆様いかがでしょうか?
◆おすすめ商品
店内での人気商品も伺ってきました!
① やきふ
シンプルイズベスト!
できたてのやき麸を袋詰めした商品です。
もともと丸く長い麩をカットしているので、自宅でも使いやすそうですね。
後ほど紹介する「麩料理処清居 (せいご)」で美味しい麩料理を堪能した後は、家で麩料理を作りたくなっちゃうこと間違いなし!
ぜひ料理を堪能した後にチェックしてみてください。
② ふかりんとう・ふどーなつ
「ふかりんとう」は、くるま麩に黒糖をからめたもので、香ばしくてほんのり甘いのが特徴です。
一方の「ふどーなつ」は、くるま麩に砂糖とシナモンをからめたもの。
どちらもサクサクとした食感のふ菓子となっています。
これは子どものおやつにもピッタリ!
家族で美味しくいただける商品です。
③麩のからあげ
麸にしょうが風味の下味をつけた唐揚げなんですが…。
なんと!
鶏肉の食感なんです!!!
お肉を召し上がれない方にもおススメとのことでした。
冷凍で日持ちするので、冷蔵庫にストックできるのも嬉しいポイントです。
④ 麸まんじゅう
ふんわり、もっちりの生麩生地を使用したまんじゅう。
だだちゃ豆やごまあんなど、季節限定の味もあるそうなので、足を運んだ際にはこちらも要チェックです。
麩は消化が良く更に低カロリー、低コレステロールなので、心置きなくいただけます。
3.工場
販売所の奥にあるのが麩の工場です。
職人さんたちが丹精こめて作る麩の製造過程を自由に見学することができます。
中には麩ができるまでの工程が、イラストで分かりやすく紹介されていました。
今回は時間の都合上じっくり見学できませんでしたが、ホームページの写真等をお借りし、簡単に麩の作り方を紹介します!
[1] 厳選された強力小麦粉に六田のおいしい水を加え、よく合わせます。
その後、よく練り合わせた小麦粉に水をさらに加えて洗います。
例えていうならよく小麦粉を洗濯するということです。
約2時間ほど置いておき、中に残ったものが小麦蛋白質-いわゆるグルテンです。
文四郎麩公式HPより
ちなみに、これらの工程は昔も今も変わらない製法なんだそうです。
[2] 金(木)の棒に1回目は小麦粉に水を加えただけの麸のしんを巻きます。
このしんを巻くのはその後の2回目に巻くグルテンを巻きやすくするためと、焼いた後に麸が棒から抜けやすくするためです。[3] [1] でできたグルテンを麸のしんに巻き上げます。
ここは熟練した職人たちの仕事になります。[4] 焼き上がった麸を釜からあげ、金棒を抜き取り、1晩乾燥させてできあがりです。
文四郎麩公式HP
麩作りに使用されている水(六田水)は販売所のすぐ近くにあるので、ぜひ覗いてみてくださいね。
※現在(2022年10月時点)は感染症対策のため飲用はできません
4.麩料理処 清居(せいご)
最後に紹介するのは「麩料理処 清居 (せいご)」。
麩と地元の四季折々の材料を使用した懐石料理をいただくことができます。
※前日までの予約が必要となりますので、御利用の際は御注意ください
店内の様子です。
筆者が利用した日は平日にも関わらず満席!
県内はもちろんですが、県外からも多くのお客さんが訪れていました。
落ち着いた雰囲気でゆったりと食事をいただくことができます。
① おしながき
おしながきはこちらです。
(2022年9月時点)
内容は月ごとに入れ替わり、春は山菜、秋はきのこ、冬は鍋…と、四季折々の美味しさに出会うことができます。
スタッフの方が1つ1つ運びながら丁寧に説明をしてくださるのもポイント。
どんな食材をどのように使用しているのかを知っていると、料理の味も変わってくるのが不思議です。
② 食前・先付・芭蕉盛合せ・お吸物
早速料理の食レポです!
初めに運ばれてきたのは食前の「特製梅ジュース (写真右上)」。
その後に先付、芭蕉盛り合わせ、お吸い物と続きます。
芭蕉盛合せは、麩豆乳コロッケ・なま麩田楽ゆず・麩の柿巻き・麩の酢味噌和え・シャインマスカット麩まんじゅう…と、既に麩づくし!
少しずつたくさんの種類を食べたい!というワガママを叶えてくれる一皿でもあります。
そして、どれも例外なく他の食材との相性が良いんです…。
麩がシンプルな素材でできているからというだけではありません。
手間と暇、そして一品一品が試行錯誤を重ねたであろうことが容易に想像できるほど高い完成度です。
運ばれた瞬間は
「これは美味しそうだけど何の料理だろう…」
「どこに麩が使われているの?」
というわくわく感。
その後のスタッフの方の詳しい説明に思わず「えー、すごい!」という声がもれてしまいます。
他のテーブル席でも、運ばれた瞬間と説明の後に漏れなく感嘆の声があがっていました 笑
③ お造り
次に運ばれてきたのはお造りの「なま麩と生湯葉 山菜添え」。
そうめんかぼちゃが添えられた、涼し気な一皿です。
湯葉の下には生麩が。
初挑戦の生麩、ふんわりと舌触りも良く、湯葉と一緒にいただくと食感の違いも楽しめます。
ワサビをタレに入れていただくとこれがまた絶品でした!
④ 雲片・酢の物・煮物・香の物・御飯・留椀
その後も雲片・酢の物・煮物・香の物・御飯・留椀と次々と麩料理が運ばれてきます。
もうこの時点で麩の魅力に取りつかれてしまった筆者。
「次はどんな料理が登場するんだ!?」と期待が膨らむばかりでした。
実は上の写真の料理、1番小さな小皿の「佃煮」までもが麩で作られているんです。
もうここまで来ると感動でした 笑
雲片の「ナスをやき麩で巻き しらがねぎあしらい」は、茄子を麩で包んでそぼろ味噌で仕上げた一皿。
とろっとした茄子と麩はお箸で切れるくらいの柔らかさでした。
面白かったのは「麩うなぎもどきのおこわ」。
鰻の皮の部分を海苔を使用して、鰻らしさを演出しています。
やき麩と茄子、椎茸を練り合わせ、卵と片栗粉でつないでいるとのことで、ふわふわと優しい食感と甘辛い味付けが絶品でした!
⑤ 菓子抹茶
最後の菓子は「麩アイス ひがしねの果物あしらい」 と「 手作り麩まんじゅう」から選べます。
どちらも気になりましたが、この日は残暑が厳しい日だったのでアイスをチョイス。
添えられているのはりんごシャーベットです。
サクサクの麩のドーナツとアイスの組み合わせは、まさに悪魔的な美味しさ!
無限にいけてしまうのでご注意ください。
一通りの料理をいただきましたが、これだけの満足感があるのに肉や魚は一切不使用!
なんでしょう、学生時代に「試合で100%の力を出し切って完敗した」ような清々しい気持ちでいっぱいです!!!
麩の種類の多さ、食べ方の多様さ、その美味しさなどなど、これまでいただいた山形の食材の中でもその無限の可能性はピカイチです!
余談ですが、筆者の隣の席の方は北海道からいらっしゃった御夫婦で、なんとこの麩料理をいただくために来県されたとのことでした。
「以前友人とお麩料理をいただいて美味しかったから、今回は主人に食べさせてあげたいと思って」。
筆者もそうでしたが、日々全国に麩の虜になってしまう人が増えているようです。
5.駐車場
土産処と六田水の間を抜けると広い駐車スペースがあります。
運転が苦手な方でも安心して駐車できるかと思います。
6.メッセージ
最後に、社長の齊藤さんよりVISIT YAMAGATAをご覧の皆様へメッセージをいただきました。
「山形県東根市はさくらんぼが有名ですが、江戸時代からずっと麩を作り続けている地域でもあります。
美味しい麩を食べに、是非東根にお越しください。
お待ちしております。」
詳細情報
-
文四郎麩
山形県東根市六田2-2-20
0237-42-01170237-42-0117
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