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【特集記事】初飴でおなじみの大山製菓を徹底取材!|山形に残る最後の飴屋さん

ホシママ

ホシママ

旦那さんのUターン転職を機に家族で山形へ移住しました。 山形の人・自然・食に魅了され、今ではすっかり虜になっています。 県外の多くの方に山形の魅力を知っていただけるよう頑張ります! また、「山形の暮らしをより豊かに」をテーマに【やまがたぐらし】(https://fullpokko.com/)という個人ブログも運営中です。 今後も様々な角度で山形の情報を発信していきます。

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山形県で唯一の飴専門店「大山製菓」。

取材に伺った2021年の12月中旬は、お正月の縁起物である「初飴」の製造がピークを迎えていました。

この記事では、初飴の歴史やその製造の様子、初飴にとどまらない大山製菓の魅力的な商品についても紹介したいと思います。

1.大山製菓とは

創業60年を迎えた「有限会社大山製菓」。

山形県に残る最後の飴専門店として、工程のほとんどを手作りで行いながら伝統の味と技術を引き継いでいます。

初飴で有名な大山製菓ですが、その他にも山形県観光物産会館「ぐっと山形」に並んでいる観光客向けの飴や千歳飴、オーダーメイドの飴などなど、飴のことなら何でもお任せの会社なんです(^^)

今回は取締役総務部長の鈴木さんにお話を伺ってきました。

2.山形の初市と初飴

12月下旬から山形県内のスーパーに並ぶ初飴。

毎年1月10日に開催される山形市の「初市」で販売されていることもあり、「初飴といえば初市」という方も多いのではないでしょうか?

2021(令和3)年の初市は残念ながら中止となりましたが、2022(令和4)年は山形県郷土館「文翔館」に場所を移し、規模を縮小しながら、だんご木・初飴・木工品などの縁起物の販売を行うそうです。

初飴と初市は切っても切れない関係!

ということで、まずは山形の初市・初飴について簡単に紹介したいと思います。

① 初市とは

山形市の「初市」は、1546~1614年の江戸時代初期に始まった、約400年の伝統をもつ山形のお正月の風物詩です。

最上義光公の時代、山形には定期の市が立つ市日町がありました。

毎年1月10日に市神祭りとして、十日町から七日町にかけて多くの露店が立ち並ぶようになったのが初市の始まりとされています。

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商業の株を象徴した「かぶ」、長寿を表す「白ひげ(浅葱)」などの野菜、「初飴」、「だんご木」等の縁起物をはじめ、まな板、臼などの木工品や野菜、穀物…と、多くの露店が立ち並び、山形市内外から約20万人を超える人出でにぎわいます。

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② 初飴とは

他県にない山形独特の文化の初飴。

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もともとは旗あめ・盛りあめなどと呼ばれ、山形特産の紅花の豊作を願って作られていました。

現在の切りあめの形とは違って、紙の上にあめを盛って販売していたそうです。

今では無病息災、商売繁盛、家内安全といった縁起物として販売されています。

今回お邪魔した大山製菓の初飴は味の種類が豊富!

抹茶・ごま・紅白・あんこ・きなこ・バナナ・いちごミルクをメインに、初市でしか味わえない抹茶ミルク、ブルーベリーヨーグルトや梅干し、ハバネロといった変わり種まであるんです(^^)

3.大山製菓の初飴作りを見学してきました

年間を通して様々な飴を製造している大山製菓。

室温が高いと原料が溶けて棒状にならないため、初飴は湿度・気温が低い冬にしかできない季節限定の商品となっています。

取材にお邪魔した12月中旬は正に初飴作りの最盛期!

昔から続く製法を守りながら、袋詰めに至るまでのほとんどの工程が手作業で行われていました。

①煮詰める

初飴の材料はとってもシンプル!

麦芽水あめとグラニュー糖で作られています。

材料を煮詰めていく上で重要なのが繊細な温度管理。

ちょっとした温度の違いで質感も食感も変わってくるそうで、その日の気温、湿度、室温で熱する温度を調整していきます。

②冷却し、程良い固さにする

絶妙な温度で煮詰めた糖液を、大きな金属の円盤に流し込み急速に冷却していきます。

あっという間に冷却され、質感が変わったのが分かります。

手で成形できるほどに固まりました。

更に冷却しながら畳んで適度な固さにしたら、

 
最後はこのように鮮やかで綺麗なべっこう色に仕上がりました。

もうこのまま食べても絶対美味しいですよね(^-^)

③引き飴

続いて、引き飴という工程へ。

こちらの機械で、先ほどの飴を高速回転でこねていきます。

飴はべっ甲色から白色に…。

中に気泡を入れることで、口どけや食感がよくなるんだそうです。

④成形

お次は成形工程。

まずはこちらの特殊な機械で棒状にしていきます。

一見簡単そうに見える作業ですが、とても神経を使う繊細な技術が必要なんだそうです。

流すときは絶妙な温度管理も必須とのことで、長年の経験と勘から触感で判断していきます。

細く長い姿で出てきた棒状の飴は、

特殊な金型を通ると見覚えのあるあの形に!

次々と流れてくる飴を、プレートの上に綺麗に並べてきます。

こちらを約1日冷まして、完成です!!!

⑤袋詰め

最後は袋詰め。

キレイにカットされた飴を袋詰めしたものが、皆さんのお手元に届くことになります。

作業所内には飴が奏でるカラカラという心地よい音が鳴り響いていました。

そしてこちらでも職人技が!

計量器等は使わず、手の感覚と目視で分量を把握し飴を入れていきます。

ここにも熟練の技がありました(^-^)

こうして完成した初飴がこちら!!!

県外生まれの私は今回初めて初飴をいただきましたが、どこか懐かしい、飽きのこない素朴な甘さが新鮮でした(^-^)

ところで、多くの工程と職人さんの技で完成する初飴、実は当たりがあるのを御存知でしょうか!?

今までほとんど名乗り出てくれた人がいないそうなのですが、ハート型の飴が入っていると、大山製菓の飴3,000円分の詰め合わせをプレゼントしてくれるサービスがあるんです!

初飴を手に取るときは、ぜひその形にも注目してみてくださいね。

4.初飴以外の商品

初飴の印象が強い大山製菓ですが、その他にも多くの魅力的な商品を生み出しています。

山形県観光物産会館「ぐっと山形」などでも出会えますので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

①山形の特産品を使用した飴

山形のシンボルでもあるさくらんぼを使用した飴や、山形の紅花と菊の花びらが入った「花べっこう飴」、村山市「農穣おく山」の食用バラ『ルージュロワイヤル』を使用した「薔薇キャンデー」など、山形の美味しい魅力がたっぷりつまった商品も多く製造しています。

ちなみに、今ご紹介した商品は、大山製菓で製造している多数ある商品の中ほんの一部だということです。

②飴以外の新商品

現在、山形県村山総合支庁の「村山地域産品情報発信コーナー」に、期間限定で村山市の特産品が展示されています。

その中で大山製菓さんの商品が3つも展示されていました!

中でも「薔薇のシロップ」と「薔薇の塩」は、新しく誕生した商品なんです。

薔薇のシロップは砂糖と水と薔薇だけで作られた無添加無着色のシロップで、「恐らく他ではやっていない技法」なんだそうです。

飴屋という枠にはまることなく、依頼先に合わせた柔軟な商品も生み出している大山製菓。

これからもどんな商品が出てくるのか楽しみですね(^-^)

③飴から作ったわたあめ

大山製菓Instagramより
 
マルシェなどでも販売したというこちらのわたあめ。

見た目も可愛らしく、ふわっととろける優しい味が特徴です。

まだ飴を食べられない小さなお子様や、おじいちゃんおばあちゃんも安心していただくことができます。

5.最後に

鈴木さんのお話を伺っている中で、

「真心を込めて時代に合わせた商品を作っています。

その為に素直な気持ちでモノづくりにあたっているんです。」

という言葉が印象的でした。

工場内で飴を作っているだけでなく、「老人ホームに出張しての綿飴作り」や「英会話教室からの特注の飴制作」など、地域だけでなく、そこに住む人の年代に合わせた商品づくりにも力を入れています。

最後に、鈴木さんからVISIT YAMAGATAをご覧の皆様へメッセージをいただきました。

「私共の強みは特注でできることです。

出張や飴作り体験も予約していただければ対応可能ですので、お待ちしています!」

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